どりふてぃんぐそうる

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2020年秋クール


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こんにちは、ぺーやんです。

そろそろ2020秋クールアニメも終わりですが、今期は面白いアニメが多かった印象です。では以下で最後まで視聴した作品について書きます。

評価はS〜Dで、同じランクだと左のほうが評価高いです。

 

総合ランク

S:体操ザムライ、ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会

A:安達としまむら、呪術廻戦、ご注文はうざきですか?BLOOM、無能なナナ、魔女の旅々、遊戯王SEVENS(継続)

B:神様になった日、ヒプノシスマイク、ひぐらしのなく頃に

 

 

■体操ザムライ

ストーリー:S

作画:S

キャラクター:S

総合評価:S

元々見てなかったのですが、最終回であまりに皆が絶賛するので大晦日に一気見したところ面白かった。

引退間近の主人公の復活が丁寧に描写され、他の濃いキャラクターの話も盛り込んで11話に収めてきた構成はすごいものでした。ただ感動はしたもののラストがあっさり気味で満腹にはならなかったので90点くらい。それでも今期アニメトップクラスのクオリティでした。

 

ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会

ストーリー:A+

作画:S

キャラクター:S

総合評価:S

ラブライブ!シリーズの外伝的ポジションの作品。廃校寸前設定がない、ラブライブ!(※全国大会みたいなもの)に出場しないなど従来のシリーズとは設定が異なり、脚本が変わったのもあってそれがいい方向に作用していました。良くも悪くも従来シリーズのクセが抜けて万人が見易い作りになっています。

同好会全員に個人回と個人曲、ライブシーンがあり良作画も相まってキャラへの愛着が深まる構造である一方、1クールでメインキャラ10人という都合上どうしてもスポットがあまり当たらないキャラがいるのはしょうがないとはいえ気になる人もいるかと思います。

ラブライブ!アニメはアンチかファンに二極化しそうな傾向にありますが(偏見)、このアニメは贔屓目なしに見やすいのでオススメです。曲もジャンルが幅広くて楽しめます。

 

 

安達としまむら

ストーリー:A

作画:A

キャラクター:S

総合評価:A

ジャンルとしては百合アニメになると思います。ただ百合の定義や好みが人によって違いすぎるので説明しておくと、「やがて君になる」のような緻密な心情描写を楽しむ作品じゃないです。しまむらのことが気になるのにうまく関係性を深められず奇怪な行動をする安達の男子中学生的な生態を楽しむアニメだと解釈しています。しまむらとのデートでしまむらに喜んでほしくてチャイナ服を着用し参上する安達のくだりとか腹が捩れるほど笑いました。

ある程度は心情描写もあり、考察しようと思えばできますが多分原作を読まないと理解が深まらないのかなといった印象。

総じて、「桜Trick」で興奮してたオタクが「やが君」を履修する前の踏み段的ポジショニングの作品だと思います(有識者に怒られそうな感想)。個人的には今期一番楽しんでたアニメですがニュートラルなスタンスで考えるとA評価になりました。

 

 

呪術廻戦

ストーリー:S

作画:S

キャラクター:A

総合評価:A

一般的には今期一番話題になっていたと思われる作品。原作の唯一の欠点であった絵の見にくさが克服されているので本当に悪く言うところがないです。強いて挙げれば若干設定が難しいとかグロいとか発音や表記が難解なことくらいで、人気ジャンプ作品らしく順当に面白いです。OPやEDも良くて、歌に自信あるオタクがカラオケで歌ってそうなオシャレ感でgood。

原作を知っているためこのくらいの評価ですが来期にも続き、面白い展開が続くので見といて損はしないと思います。

 

 

ご注文はうざきですか?BLOOM

ストーリー:A+

作画:S

キャラクター:S

総合評価:A

めちゃくちゃ面白かった。ごちうさ二期の途中で切っちゃったけど久々にやるし一応見るかくらいのノリで見始めたらいい意味で期待を裏切られました。

これまで散々中身がないだの萌え豚御用達アニメだの養豚場だのと揶揄されていた本作ですが、なんと3期は中身があります。てっきりサザエさん時空の話だと思っていたら進級・進学の話が序盤から提起され、コメディ要素は据え置きで一話の中でちゃんとその辺りの話を扱って締めるためきららアニメとして覚醒しました。元々キャラの可愛さで成立してた作品にある程度のストーリーが付け足されて無敵になってしまいました。

でも冷静に考えたらギャグがすごく笑えるというほどでもないし感動で涙するような作品でもないためA評価。個人的には全然Sにいくポテンシャルはあると思いました。

 

 

無能なナナ

ストーリー:S

作画:B

キャラクター:A

総合評価:A

一部から今期のダークホースと評価されていた作品。自分は多少原作を知っていたので1話の驚きはありませんでしたが、初見なら間違いなく楽しめる作品。

能力バトルものというよりはミステリー・推理ものに近いカテゴリーに位置すると思っていて、極力な能力者を相手に弱い主人公がどうやって勝利するかを予想して楽しんでいました。

この作品に関しては何を話してもネタバレになるので内容を語るのは控えますが、1話の衝撃に加え毎週続きが気になる終わり方で見始めたら引き込まれます。原作はさらに面白いらしいので時間あるときに読んでみようと思います。

 

 

魔女の旅々

ストーリー:A

作画:A

キャラクター:S

総合評価:A

全く期待してなかったですが1話が面白くて引き込まれました。このアニメは結構評価が分かれると思っていて、というのも基本的に一話完結形式で展開されるのですが、シリアスで暗い話とコメディチックな百合的な話があるのでどちらかが苦手という人は100%は楽しめないのかなと思います。

僕はシリアスな話はこのアニメには求めておらず、イレイナ可愛いなぁと思って視聴していたので「一生百合アニメやっとけよ」ってシリアスな話でキレていました。

イレイナのクソガキ感は可愛いし、レズ姉妹は面白いし、師匠キャラ二人も好きだったのでキャラクターで言えば今期一番好きでした。

 

 

遊戯王SEVENS(2クール目)

ストーリー:S

作画:B

キャラクター:S

総合評価:A

2クール目なのでこのランキングに入れるかどうか迷いましたが、あまりに面白かったので入れました。

遊戯王アニメシリーズは前作が虚無アニメ、その前は悪い意味で有名なのでここ五年くらい不作でしたが、今作は本当に面白い。一話完結のギャグアニメとして展開されるのですが、遊戯王特有のクレイジーなキャラクターの数々で笑うし(例:主人公と同じ小学校に転入する35歳経産婦、口癖が「ジュラシック」の探検家、眉毛が魚の形の漁師など)、一話のうちにデュエルを含めて起承転結をまとめあげる構成力も素晴らしい。

なおかつ気が狂ったような展開のなかに伏線が仕込まれていて、2クール目にはそれらを回収しつつ、クレイジーなキャラがそれぞれの個性を生かしてラスボスに退治するくだりはストーリーもしっかりしていて楽しめました。児童アニメのノリが楽しめる人は見た方がいいです。

ちなみにまだ続いてる(というか遊戯王なのであと何年かやるはず)ので今後が楽しみなアニメです。(一年目最高評価だったのに二年目から悲惨なことになった某シリーズの二の舞にならないか不安ではありますが。)

 

 

ヒプノシスマイク

ストーリー:B

作画:A

キャラクター:B

総合評価:B

今期筆頭ギャグアニメ。要するにラップで全てが決まる世界観なんですが、遊戯王のラップ版だと考えるとイメージしやすいです。

2話で強盗犯が爆弾のノリでジャケットからマイクを出すところがギャグのピークなのでそれ以降面白くなくて切った人もいるかと思いますが、キャラ紹介回を消化した8話くらいから天下一武道回が始まってまた面白くなりました。

しかしこれもメインキャラが12人なのに1クールという都合上、どうしてもストーリーは軽視されがちになるためB評価です。

 

 

ひぐらしのなく頃に

ストーリー:B

作画:A

キャラクター:B

総合評価:B

これに関しては作品の性質上評価ができないのでB評価。2クール目の解答編に期待です。

 

 

神様になった日

ストーリー:C

作画:S

キャラクター:A

総合評価:B

良くも悪くも今期相当話題性のあった作品。この記事の目的の半分はこの作品を書くためといっても過言ではなく、ネタバレするし長くなるので興味ない人はここから下は読まなくていいです。

 

CLANNAD」や「リトバス」、「Angel beats!」や「Charlotte」を手掛けた麻枝准先生の新作アニメということで事前期待値が高く、「Angel beats!」でオタクに入った身として個人的にも楽しみにしていました。

結論から言うと、中盤までのギャグは面白かったけど後半のシリアス展開が拍子抜けだったというか予想を下回ってきました。あらすじと結末ついてはググってください。

まず良かったところとしては、ギャグパートが相変わらず面白かったです。だーまえ先生のギャグはセンスが昔から全く変わらないので、適正がある僕としては楽しめました。そもそもこの加齢臭のするテンポのギャグが無理な人はこのアニメを見ない方がいいです。

だーまえ先生伝統の野球回を第1話で終わらせたところは「今まで尺が足りないと散々言われた反省を生かしてきたな」と感動したものです。

大体7話くらいまでギャグパートやりつつ各キャラの掘り下げをやっていて、この辺りまでは世間的にも評価されていたと思います。

8話以降は物語の核心に迫るシリアスパートでギャグ描写はほとんどなくなります。

それで後半のシリアスパートについてですが、ぶっちゃけやりたいことは伝わったのでそこまでdisるほどのものでもないんですが、1ヶ月で世界が終わるとか量子コンピュータとか、いかんせん序盤に壮大な設定を出してきたのにそれをあまり使わなかったため悪く映ってしまったように感じました。SFっぽいワードを出しときながら全然SFやファンタジーな展開にはならなかったので視聴者としては悪い意味で騙されたように感じたのかもしれません。

よく言われる「尺が足りてない」って批判は僕としては当てはまらないと思っていて、やることやって話は綺麗に着地したので結果的に尺は足りていました。ただそれなら先程の様々な設定は余白が残ったまま終わる形になってしまい、それらを全部やるのならそもそも別の話になるのかなと思います。言うならば「小さな絵を描くのに巨大なキャンバスを用意した結果余白が目立ってしまったような状態」なわけです。

あとはキャラの掘り下げが微妙だったように感じました。一応キャラの個別回と呼べるものはあったんですけど、サブキャラの回というよりは主人公の陽太とひなの掘り下げの仮定でサブキャラが出てきたような感覚。特にラーメン屋の先輩と弁護士に至ってはほとんど出番がなくて存在の必要性について終始疑問符がついてました。サブキャラが終盤で主人公の力になる展開が来るんやろうなあと思ったらLINEで応援するだけだった(多少語弊があるけど)ときは落胆しました。

そもそも主人公の陽太にあまりに魅力がなかった時点でキツかった。重い過去や悲しいバックボーンがあればいいわけじゃないけど、こいつはあまりに無味無臭の味のないガムみたいなやつで、1話の時点で人生に何の不満も目標もないキャラクターなのでひなが来ても基本話の聞き手だし、終始主体性に欠けるしやることなすことが良くも悪くも等身大の高校生なので主人公の器じゃない感がすごかった。ヒロインの佐藤ひなはべらぼうに可愛かった。こいつだけで今期戦えるレベルで可愛かった。だからこそ後半ひなが人格が欠落したときの衝撃が大きかったところはよかったとこと言えます。

話の展開で好きだったところとしては、ラストがビターエンドで終わったところです。僕は基本物語はハッピーエンドで終わって欲しいと思っていますが、この作品に関しては「ひなと過ごしたひと夏の大切さや有限性」を強調するのがコンセプトなので、その点からいくとひなが最終的に障害が完全に回復しなかった展開はコンセプト通りで感情移入してちょっと感動しました。「Angel beats!」や「Charlotte」もそうですけど、回復しきれない喪失で終わるビターエンドだからこそ切なくて感動した側面はあると思いました。

まとめると、「設定と展開が噛み合っていない」「キャラクターを活かしきれていない」が評価が下がったポイントで、逆にそれ以外は音楽も声優も作画も文句のつけようがないくらい出来が良かったと思います。特にやなぎなぎさんのop「君という神話」は美麗で感動的な歌声と壮大な歌詞から1話の時点で覇権を確信するくらいの名曲でした。

結果としてキービジュアルと脚本を見て視聴者側がハードルを上げすぎたのが良くなかったのかもしれません。全く期待していない状態で視聴してたら今よりは幾分か楽しめたのかなと思いました。

とりあえずだーまえ先生の安否が心配ですし次の作品を心待にしています。

 

今期の感想としては以上です。何だかんだ言いつつも2020年で一番楽しめたクールでした。来期はリゼロとバック・アロウに期待しています。