どりふてぃんぐそうる

Twitter:@fair_mios3

2023年3・4月履修コンテンツ おにまい/グリッドマンユニバース/ハリーポッター/ゆゆうたetc

高校以来サボっていた歯科検診に行ったところ親知らず4本全てが虫歯になっていることが発覚、2月以降は歯医者に通いまくり痛みに耐えていた期間でした。虫歯はほぼ100%自然治癒しないと聞いてはいましたが自分は希少な数%の人間と過信していました。今後凡人として生きていきます。

 

アニメ

お兄ちゃんはおしまい!

スパイ教室

転生王女と天才令嬢の魔法革命

お隣の天使様にいつの間にか駄目人間にされていた件

進撃の巨人Final season

進撃の巨人Final season完結編<前編>

 

ゲーム

サクラノ刻

 

漫画

ハイパーインフレーション

 

書籍

現代思想の冒険

現代思想の教科書

利己的な遺伝子

 

映画

グリッドマンユニバース

ハリーポッターと賢者の石

ハリーポッターと秘密の部屋

ハリーポッターとアズカバンの囚人

ハリーポッターと炎のゴブレット

ハリーポッターと不死鳥の騎士団

ハリーポッターと謎のプリンス

ハリーポッターと死の秘宝PART1

ハリーポッターと死の秘宝PART2

 

YouTube

ゆゆうた

桜井政博のゲームを作るには

 

ピックアップ

お兄ちゃんはおしまい!

一般的には後半に入って失速したと言われてますが、僕はむしろ後半の方が好きでした。確かに後半ってまひろが普通に中学生として生活するだけであまりTS要素が関わってこないので、この作品の魅力が発揮されないという意見も一理あります。ただ彼がTSしたそもそもの原因ってニート生活の更生のためじゃないですか。じゃあ彼がJCとして普通のスクールライフが送れているということはTSのおかげで社会復帰ができていることと同義です。視聴者的には面白くない彼の日常生活そのものがストーリーの進行を意味していることになります。なのでTSあるあるを擦っている前半より学校編の後半の方が僕は好みなんですよね。

それと僕が学校編で好きなシーンがまひろが無意識にクラスの男子中学生を誘惑してしまうシーンです。例えば見た目男子中学生がJCの輪に入って恋バナとかしてると確実にハブられますが、性別が逆で男っぽい趣味の女子が男子の輪に入ろうとするのは歓迎されます。彼は自分に美少女のガワがついている自覚が薄いので、自分がオタサーの姫化していることに気付かないのがまたいいですね。廃人ゲーマーという彼のアイデンティティは同性の友達との間では秘匿すべきものですが、異性との関わりにおいて公開できるという点でTSものらしいですね。TS作品は普段好んでは見ないのですが、身体的な側面よりこういう社会的なアプローチをしてくれるほうが個人的にいいです。

補足:違和感なく中学生のコミュニティに入れる辺りまひろの精神年齢の低さが伺えます。社会経験のないニートっぽくていいですね。

 

 

グリッドマンユニバース


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めちゃくちゃ面白かった!!TRIGGERの美麗な作画・CG技術から生まれる大迫力の戦闘シーン、特撮オタクの願望を詰め込んだ圧倒的カロリーのロボアクションは劇場の設備の臨場感があってこそ。のちにサブスクで見たとしても半分も熱量は伝わらないので今すぐアニメ版『SSSS.GRIDMAN』『SSSS.DYNAZENON』を鑑賞し映画館へ行きましょう。

シナリオ面を見ると、『グリユニ』はアニメ版での積み残しを回収すると同時にフィクションを肯定する物語と言い表せます。虚構と現実、ひいてはユートピアと過酷な現実世界の対立というテーマはアニメや漫画界では使い古されていて、エヴァなら人類補完計画NARUTOなら無限月読といくらでも例を挙げることができます。それで紆余曲折ありながらも最終的に現実世界を生きるというのが従来のテンプレートな回答と言ってよいかと思います。で、『グリユニ』で興味深いのはこの問いに対して虚構か現実かの二者択一ではなくリアルを生きながらも虚構を肯定する姿勢をとった点です。

作中で最もそのことに示唆的な発言が「人間とはフィクションを楽しめる唯一の生物だよ」という台詞です。虚構に逃避するでも虚構を捨てるのでもなく虚構を咀嚼した上で現実を生きるというスタンスは令和を生きる我々の実感に即した価値観です。90年代やゼロ年代と比べるとオタクでなくともアニメや漫画は見てますし、過去のオタク文化はある程度大衆に浸透してきています。電車男のようなオタクは減少し、若者の多くがアニメの感想を友人と語らう風景が現代のスタンダードです。

『グリユニ』ではどのメタレベルの人物も虚構を通じて彼らのリアルを豊かにしていきます。文化祭の演劇を通じて仲を深める裕太や立花。怪獣のいる世界を作って退屈な日常を変えようとした新条アカネ。さらにメタレベルを上げれば『グリッドマンユニバース』を鑑賞する僕たち。いずれも創作だからとないがしろにせず現実を豊かにする材料としてフィクションと向かい合っています。ゆえに「設定に無理がある」とか「リアリティに欠ける」といったツッコミはナンセンスなのです。彼ら(僕ら)はフィクションだと理解した上でグリッドマンを楽しんでいるし、フィクサービームで景観が元通りになり記憶にしか彼らが残っていなくても、グリッドマンという虚構は確かに彼らの人生に影響を与えていたので問題はありません。ファンサービス塗れでやりたい放題のお祭り映画であるという方針も、上記のフィクションへのスタンスを示していることで全面的に肯定されるのです。

見ごたえのあるアクション、可愛いヒロインズ、ポジティブなシナリオ、それらが2時間に濃縮されて提供され、映画館を去るときには言い知れぬ多幸感に包まれるような、娯楽として最上級の一本でした。

補足:敵が背景のないぽっと出の謎怪獣である点も良く考えれば納得できます。一連の騒動もフィクションだと割り切っているということは、騒動自体が最終的に自己の内面に回収されることを意味します。つまり敵がどんなやつかというより大好きなグリッドマンやロボットがどう活躍するか、自分がどうそれを楽しむかという問題に変換されるために敵の背景は相対的に軽視されるのです。文化祭の演劇やヨモギの蟹のくだりも同じで、劇の内容や蟹の味そのものより劇の手伝いを通じて六花と仲良くなれたとか、蟹を口実にヨモユメが家族公認の仲になれたとかのほうが大事なわけです。作中で描かれた、虚構をリアルにうまく利用するスタンスはこの辺にも関わってきているのだと深読みしています。

 

 

ハリーポッターシリーズ

申し訳ないけど大して面白くなかった。でもこれは僕がアニメや映画に触れすぎて順張り作品に新規性を見出せなかっただけの話で作品自体は悪くないです。20年前の小説と考えれば当時この世界観を提出できるのは革新的ですし売れるのも理解できます。興行的にヒットした作品はその価値観が後のスタンダードとなるので後から見れば当然順張りになります。よってある程度エンタメに精通した層にとっては新鮮味に欠けるのはしょうがないところではあります。

ストーリーはありきたりですが世界観はかなり魅力的で、幼少期に見てたら確実に魔法呪文を暗唱するガキに育っていた自信があります。僕は基本日本のアニメ中心に見てるので欧米作品という意味では新鮮味がありました。ジャパニーズ魔法ものならデフォルメされたマスコットやらポップな表現がデフォルトですがハリポタは普通に敵がキモいしグロいしでカルチャーショックでしたね。あとキャラがもれなく全員性格が悪い!しょうもないことで仲間割れしたり嫌がらせしたり裏切ったり何かしら陰湿な部分があるのはドラマとかの実写媒体の特性ですよね。僕は幼稚なオタクなので萌えアニメの作為的な甘い世界のほうが好みだったりします。まあハリポタは小学校に書籍が置いてあるくらい広い世代に浸透しているので、多分いつものように僕の負けです。

 

 

ゆゆうた


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正確にはゆゆうた本チャンネルではなく切り抜きチャンネルの方です。ゆゆうたって世間的には加藤純一の腰巾着のホモガキってイメージで、ここだけ抜き出すと普通にカスの配信者ですが僕は割と好きです。僕が彼を好きな理由は真の陰キャでなおかつ感性が健常寄りだからです。加藤純一がガチ陽キャなのは見れば分かるじゃないですか。オタクコンテンツ嫌いで、トークスキル高くて人を馬鹿にする笑いのスタイルですよね。あれはたまたまゲーム配信やってるだけでスクールカースト上位の人間の立ち振る舞いです。一方ゆゆうたは底辺のオタクが上位層に媚び売ってなんとかいじめられないようにヘイト管理しているようないじらしさがあります。加藤に逆らえないから表面上はVtuberを小バカにしてますが、根っこは相当な陰キャです。アニソンを弾き語りしているときとか90~ゼロ年代アニメについて語っている時の満面の笑みとオタク特有の早口こそ彼の本性でしょう。で、彼は陰キャの癖に割と常識人なんですよね。普通名の知れた配信者ってどこかしら異常性があるものじゃないですか。狂気があるから再生されるのであって没個性だと埋もれてしまう。彼は普通だからこそ淫夢厨に擦り寄ってバズったわけですよね。そういう良くも悪くも配信に向かないガチの凡人が頑張っているところに共感したり自己投影したりで後方支援者面で見ているようなところがあります。

あと配信内容では建設業界とか音ゲーとか自分の得意分野で饒舌になるところは好きです。

補足:同じく加藤ファミリーの陰キャにもこう先生がいますが、彼は狂人のふりをした凡人に見せかけた狂人なのでゆゆうたとは違います。陰キャ具合はゆゆうたより上ですが、人を引き付けるカリスマとか常人では真似できないリアクションとか嫌われない立ち回りが無意識でできるあたり配信向きの人間と言えます。

 

 

桜井政博のゲームを作るには


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かの有名なカービィスマブラの生みの親であるゲームクリエイター桜井政博氏によるチャンネル。チャンネル名通り基本はクリエイター向けの情報を発信するチャンネルですがプレイヤー視点でもかなり勉強になります。桜井氏はゲーム体験の肝は「リスクとリターン」にあると繰り返します。プレイヤーからすると最小限のリスクで最大のリターンを獲得することに快感を覚えるし、クリエイターはそのバランスを考えて製作すべきであると彼は主張します。ただ難しいだけのゲームは一般に受け入れられないし、逆に無敵に近いキャラを操作するゲームもカタルシスがありません。ゲームシステムにある程度の幅を設けて、その中でプレイヤーが試行錯誤し最も高い期待値を出せる行動をできたとき気持ちいいというのはカードゲームをイメージすると分かりやすいです。思えば売れているゲームは多くがリスクとリターンを上手く扱っています。

もう一つこのチャンネルの白眉を挙げるとすれば、プレゼンがかなり上手い点です。貼っているカービィの動画が顕著ですが、課題点を解決するためにコンセプトを決め、それに従ってなおかつ面白いゲームを作るというPDCAサイクルの構築が見事です。例えばカービィなら、当時ブルーオーシャンだった初心者向けゲームを作りたい→落下死しないようホバリング機能がある横スクロールアクション→簡単になりすぎないよう画面構成を調整・・・といったように。これを平易で分かりやすく、かつコンパクトした上でプレゼンだけでワクワクさせるような企画を作る能力が凄いです。仮にゲームをやらない人であっても普通に社会人なら参考になるチャンネルなので一見の価値ありです。