アニメ
ジョジョの奇妙な冒険ストーンオーシャン(13~24話)
ef - a tale of memories.(全12話)
ef - a tale of melodies.(全12話)
メイドインアビス(全13話)
メイドインアビス烈日の黄金郷(全12話)
リコリス・リコイル(全13話)
ラブライブ!スーパースター!2期(全12話)
Engage Kiss(全13話)
ゲーム
映画
ONE PIECE FILM RED
メイドインアビス深き魂の黎明
漫画
書籍
動物からの倫理学入門
プレップ倫理学
令和版現代麻雀押し引きの教科書
バキ童ch
ピックアップ
ONE PIECE FILM RED
ワンピースと思って舐めてたけど思いの外面白かったです。ワンピって市民を虐げる独裁者をルフィがぶっ飛ばすのがセオリーですが、ウタは独裁の仕方が違います。ウタはウタウタの実の能力で人々を夢の世界に閉じ込めるものの根は善人であり、彼らは幸せな夢を見ている点が他の独裁者とは異なります。ただウタの支配下でユートピアが実現されてるとはいえ人間が一つの価値観に支配されている点では彼女は独裁者であり、自由を求めるルフィの思想と対立するんですが、このくだりってエヴァの人類補完計画やん!と思いながら見てました。ユートピアの仮想世界と対立する現実世界という構造はナルトの無限月読などと同じですが、本作の場合画一性と多様性の対立として見るほうが近いのではと思います。ウタは支配の仕方を気にしているの(海軍や海賊のように弱者を踏みつけにする支配は許せないが、人々が夢の世界で生きられる支配は肯定している)に対しルフィは支配や秩序そのものを否定します。原作でカイドウに目指すべき世界について問いかけられた際、「ダチが腹一杯飯を食える世界」と答えたのが彼らしくて、ルフィは別に特定の生き方を称揚せず、最低限の生存権が保障されてさえいればあとは好きにすればいいじゃんという思想です。(独善的な)幸福に生きる生き方を強要するウタはロビンの自殺する自由を保障できませんが、ルフィは特定のイデオロギーを強要しないので問題なく自殺する自由を認めることができます。
ルフィの作る新時代(夢の果てと同じ)とは海軍や海賊など特定の思想や団体が支配する時代ではなくもっとアナーキー(ただし生存権は保障される)な時代………って最近見た考察動画が言ってました。
メイドインアビス
相当面白くて、ここ最近の作品ではずば抜けています。世界観が抜群に良く、特に上昇負荷の設定が秀逸です。凡人なら下降負荷にして達人探検家じゃないと下層まで潜れないような設定にしているところを、あえて上昇時に負荷がかかるようにすることで安全度外視の狂人なら誰でも深淵への挑戦が可能になっている点が天才的です。探求心の強さが自身の命よりも重いという意味ではリコもボンドルドもワズキャンも同じで、「憧れは止められねえんだ」という本作を代表する台詞がそのままクリティカルに刺さります。
読者の感想で「リコが命を捨ててまで母親を探すために冒険する理由が分からない」という意見が一定数見受けられます。母親探しももちろん理由の一つではありますが、彼女にとって単純にアビスの深淵を見てみたいという好奇心も同じくらい大きく、彼女に共感できるかどうかは作品の世界観の魅力にかかっています。少なくとも僕は冒頭のアビスの設定で引き込まれたので彼女の好奇心に共感できるし、逆にアビスを魅力的に思えず怖いだけの場所と認識する人ならリコには一切共感できないでしょう。
この作品でもう一つ素晴らしい点を挙げるならばそれは緩急のつけ方にあります。今でこそメイドインアビスと言えば可愛い絵柄に反して悲惨な展開になる漫画といった認識が共有されていますが、それを知っていてもなお本作は面白いです。作中のグロ展開って思ったほど多くなくて、基本的に本作は子供たちの冒険譚といった色が濃い作品です。毎回グロ展開やっても緊張感がなく読者も慣れてしまいますが(例:彼岸島)、エッセンスとしてのゴア表現は作品のいいスパイスとなります。楽しい冒険には表裏一体で死の危険が付きまとっているというのが本作の大テーマで、上昇負荷はそれを華麗に表現した秀逸な設定なわけです。街の外に出たことのない子供も歴戦の猛者も、誰でも冒険に出ることはできるけど、一瞬でも気を抜けば死が横たわっている。それでも好奇心のまま赴く価値観を称揚した良い作品です。ちなみにこういう設定である以上生還してしまったら凡作になってしまうので、リコは最後はきっちり死んでほしいです。
フォレスト・ガンプ
メジャーかつ初心者でも触れそうな映画を探していたところ、アマプラで発見して鑑賞。身体障害と低知能、発達障害を持つガンプがいじめられっ子から大成していくストーリーで、適度にコミカルであまり古臭さを感じず楽しめました。ガンプってアイシールド21で言うところの鉄馬みたいな奴で、一つのことにのめり込むと忠実に鍛錬する特徴があって、まさにこの発達障害の特性によってアメフトだったり卓球だったり漁師だったりと様々な分野で成功を収めます。
ガンプがいじめられっ子から金持ちへと成功していく一方で、ヒロインはどんどん落ちぶれていきます。幼少期こそ恵まれた容姿で学園のマドンナ的ポジションを得ていましたが、大学辺りからおかしくなりストリッパーになったり反政府団体に入ったりドラッグに手を染めたりと転落人生を送ります。最終的にガンプと結ばれるも病死してしまうし、トータルで見ると結構悲惨な生涯でした。結局のところガンプとヒロインを分けた要因って親からの信頼だったような気がします。ガンプはハンディキャップを負っていても母親から愛され信じられていたのに対し、ヒロインは父親に虐待されていました。彼女は正しい愛情を知らないからガンプの好意を素直に受け取れないし、クズ男に捕まって利用されて捨てられます。ガンプはアスペだけど良くも悪くもストレートに感情を伝えることができるので周囲から認められていきます。その根底にあるのは母親からの愛情にあります。もし彼が親からネグレクトされていたら元来の障害から卑屈に育って物語は終わっていたでしょう。本作の名言に「人生はチョコレートの箱のようなもの、開けていないと分からない」という母ガンプの発言があります。一見すると生まれつき障害があっても努力次第でアメリカンドリームを掴めるというポジティブな発言です。ただそれはヒロインのように初期が頂点でそこから転落する可能性と裏表です。結局のところ、正しい努力ができるかどうかは努力では変えようがない親の教育に依存するというサンデルっぽい結論だと感じました。
令和版現代麻雀押し引きの教科書
雀豪1からレートが上がらなくなったので座学の必要性を感じ購入。以前読んだ「新科学する麻雀」より主観的なものの実戦的な本です。押し引きって押すか引くかの2択じゃなく「微妙に引く」という第3の選択肢があります。これは手が崩れるので現物は捨てないけどスジや19字牌くらいなら切るという中間択を指します。引く度合いをある程度明確に導いた点でこの本は科学する麻雀より優れています(あっちは押すか引くかの2択なので)。また、この本で一番参考になったのが「麻雀はマンガンを多く作るゲーム」という主張です。点数的に最も効率が良いのがマンガンであり、押し引きの基準もそこで線引きして概ね問題ないというのは暗記が少なくて助かります。4翻あればツモ+裏ドラで跳満にランクアップするのでリーチ、それ未満なら引くという方針でそこそこ勝てるようになったので詰まるまでその意見に従うと思います。
一問一答形式なのでページ数の割に軽く読めるので、使い方としては単語帳のように暇なときにペラ見して感覚を掴むイメージでいいと思います。概ね基準を掴んだら「新科学する麻雀」で統計的な裏付けをして雀魂やるスタイルにしたらするすると昇段できたので感謝。
それとこの2冊で思ったんですが麻雀本というジャンルは相当当たり外れが大きいので今後ベストセラー以外を買うことはないと思われます。順張りが正義。
バキ童ch
パソコンをつけている時間のほとんどはYouTubeを垂れ流しているので今回からYouTubeコーナーを新設しました。基本的にYouTubeって生産性皆無でアニメでも見てる方がまだ有意義なんですが、稀にアタリがあって今月はバキ童貞chが該当しました。
インターネットで多少なりともオタク文化に触れていれば上の画像に見覚えがあるものですが、彼はYouTubeチャンネルを持っています。バキバキ童貞を自称していることからも分かるように、投稿される動画の多くは下ネタ関係で、バキ童ことぐんぴぃに相方の土岡がツッコむスタイルで構成されることが多いです。特筆すべきは童貞を直接バカにはしない方向で笑いを取りに行っている点でしょう。童貞ゆえに歪んだ性知識を披露するぐんぴぃに対し、土岡はある程度の共感を示し、スタッフのガヤで笑いのポイントを示すスタイルを取ることで、メイン視聴者層の童貞を否定せず不快感を与えないようにしています。また、セクシー女優や男優とコラボし正しい性知識を共有する性教育動画としての側面も見逃せません。どちらにせよ周囲に表立って推薦できるチャンネルではありませんが、面白くてためになるチャンネルではあります。
ただこのチャンネルの方向性が2つのジレンマを生んでいます。1つ目は彼らの本職は芸人であるという点です。職業柄両名とも基本的な話術スキルが高くエピソードトークは下ネタ抜きでもかなり面白いです(再生数が多いのも以下リンクの過去回想動画)。しかし本当はテレビに出たいという彼らの願望はチャンネルの方向性と相反しています。下ネタでマネタイズできているアングラなYouTubeを取るか、クリーンなキャラとしてテレビに進出するかの選択を彼らは迫られています。
2つ目のジレンマは、バキ童は本当に童貞で機会があれば童貞を卒業したいと思っているにも関わらず、いざそれを実行してしまうとチャンネルが意義を失い生活が危ぶまれるというジレンマです。それなりに知名度を得た彼はその気になれば彼女の一人や二人作ることができるでしょうが、それは彼のアイデンティティの喪失を意味します。確かに「童貞捨てた」というタイトルで動画を作れば短期的な再生数は稼げるでしょうが、彼に共感していた視聴者層への裏切りで長期的には低迷していくことが予測されます。ぐんぴぃは彼自身、そして相方やスタッフの生活のために童貞であり続けなければならないのです。抑圧され増幅される性欲は認知を歪ませ彼を更なるモンスターに育てます。僕はこれからもそいった方向性でチャンネルを楽しみたいのでぜひ変わらないでいてもらいたいものです。