本当は9月には投稿している予定でしたが遅れに遅れて年末の振り返りみたいになってしまいました。来年は遅れずに投稿したい(素振り)。
アニメ
Dr.STONE NEW WORLD
機動戦士ガンダム水星の魔女第2クール
鬼滅の刃 刀鍛冶の里編
推しの子
ウマ娘プリティダービーROAD TO THE TOP
呪術廻戦二期
BLEACH千年血戦編決別譚
幻日のヨハネ
無職転生3期
うちの会社の小さい先輩の話
好きな子がメガネを忘れた
ゲーム
ゼノブレイド3 新たなる未来
ゼルダの伝説 TEARS OF THE KINGDOM
ポケモンスリープ
漫画
BORUTO(1~20巻)
来世ではちゃんとします(1~10巻)
ピックアップ
ゼノブレイド3 新たなる未来
かなりよかった!過去作キャラの成長した姿というのはやはり感慨深いものですね。ファンサービスが充実しているだけでなくシステム面も進化していて、ザコキャラ撃破やドロップアイテムの獲得に報酬を設けることで探索を飽きさせない作りになっています。適当に遊ぶだけでこまめに気持ちいい音が鳴って褒められるというのはプレイヤーとしてはかなり嬉しいので満足度が高いです。過去作と比べればUI周りもかなり改善されていて、ボリュームが多い本シリーズで挫折させない多くの努力が見て取れます。総じてシステム周りの不満点が皆無で充実したゲーム体験が約束されています。
シナリオ面においてですが、ゼノブレシリーズは神と人間の戦いを描いており、今作もその方針は一貫しています。構造としては神サイドには無限(永遠性)、唯一性、超越性の要素があり人間サイドはその逆の要素で対比されています。本DLCでは『ゼノブレイド1』で味方の神であったアルヴィースと思想の違いで対決するシナリオとなっています。アルヴィースと主人公マシューらは良い未来を作りたいという意味で思想が一致していますが、神の超越的な力で確定した未来を作ろうと画策するアルヴィースにマシューらは異を唱えます。未来は人間それぞれの手でつかみ取るものであり、不確定な未来こそあるべき姿であるという実に少年漫画らしい思想はシリーズで一貫しており、本作でも方向性は同じです。独善的な未来の創造で人間の支配を企む『1』のザンザ、世界に絶望し未来を破壊しようとする『2』のメツ、未来ではなく永遠の「今」を生きようとする『3』のメビウスときてアルヴィースとは「どんな未来を作るか?」で争うわけですね。その点で「望む未来をつかみ取れ」というキャッチコピーは今作を象徴していますね。ゼノブレシリーズにおける神とは無限の寿命を持ち圧倒的な力を持つ個体という点で超越性を有し、世界を思うままに創造することが可能です。一方で人間は有限の寿命に加え各個体は非力で、複数個体ゆえに争いを繰り返しています。書き出すと人間が不完全でカスですが、ここで「継承」のモチーフが顔を出します。考えてみると継承って神には許されない人間の特権なんですよね。世界は不確定でゆらぎがあるが、世界が良くなるようにと時間や空間を超えて多くの人間たちが努力する行為に美しさがあるという人間賛歌が根底にあります。長くなりましたが、要するにエイが可愛いってことです。
ポケモンスリープ
意外に面白い。まずこういう新規性のあるタイトルを手に取るにあたって、ポケモンという下地があるのが強い。ゲーム自体に興味がなくてもポケモンだし触っとくかという層は一定数いるし、その逆も然りなのでとにかく間口が広いです。
肝心のゲームの内容ですが、本家の要素をうまく落とし込んでいるのがグッド。このゲームは「ポケモンの寝顔を多く集めること」が最終目標なんですが、その過程で「ハイスコアをとる」「強いポケモンを育成する」ことが要求されます。この3要素は本家ポケモンだと「ポケモン図鑑完成」「ポケモン対戦でレート上位になる」「ポケモンの厳選・育成」に対応します。本家ではこれらは薄い繋がりはあるものの独立したコンテンツである一方、ポケスリだと全てが連結しているのでどこを目標にしても同じ結果に行きつくという設計が上手い。そしてそのためには良い睡眠が必要という要素を土台に据えているシステムが秀逸です。
氷菓
千反田えるの可愛さを10年遅れで知って視聴。えるたそだけアニメかと舐めてましたが内容も凡以上はあってなんなく完走できました。突出した神回があるわけではありませんが、コンスタントに中の上くらいの点数を取ってくる作品。僕がミステリーに触れていない無知なだけかもしれませんが、人が死なない日常ものというのは意外と珍しくてGOOD。国民的ミステリーと言えばコナンを想像しますが、あいつら涼しい顔して生活してるわりに毎週のように死人が出てくるハードな世界観なので、氷菓のように本当に平和なミステリーがあるんだと少し感動しました。死人が出ない、すなわち話のスケールが小さいことは、毎週出される謎がより身近に感じられるという利点もあります。殺人事件のトリックなんて経験がないから推理は難しいですが、校内放送での生徒の呼び出し理由を推理するくらいなら視聴者でも何とか分かりそうな気がします。少なくともコナンで毎週トリックを考える層より氷菓の謎解きをしている層の割合の方が高そうです。完全に推測ですけど。
BORUTO
中盤からかなり面白い展開。ナルトの子供世代を活躍させるにあたって強キャラのナルトやサスケが弱体化させられるのですが、敵は全盛期のナルトでも勝てない強さをしていてどうするのか注目して読んでいました。この問いに対しボルトが修行して強さをインフレさせていくのではなく、口八丁で仲間に引き入れるというアプローチを取るのが興味深いです。「わかるってばよ」というセリフに代表されるように、『NARUTO』時代から話し合いによる解決は繰り返されていたので、今回のそれにも特に違和感はありませんし、インフレ回避という意味でも上手い展開です。
『NARUTO』は「憎しみの連鎖をどう解決するか?」がテーマの一つであり、最終的に完全に憎しみの連鎖を断つのは難しいけれど、話し合いを重ね解決できると祈ることが肝要だというアンサーを提出しています。『BORUTO』の敵は悲壮な過去や分かり合いの余地のない、話し合いが通じない宇宙人です。彼らを強さで屈服させることは難しく、話し合いも困難を極めるため最後にどう落としどころを見つけるのか楽しみにしています。
ゼルダの伝説 TEARS OF THE KINGDOM
さすがにそこらのゲームとは格が違うクオリティです。ブレワイと基本線が同じあることを加味しても2023ナンバーワンタイトルでしょう。日陰に入ると体温の上昇が抑えられる(しかも雲の流れで日陰の形が変化する!)とか、村民やモンスターを観察しているとキャラクターによって異なる生活感があるとか、資金力があるだけあってオープンワールドの完成度が非常に高いです。ただ広いマップがあるのではなく、そこにリアリティのある世界が丸ごと展開されているのが真のオープンワールドだと感じます。
マップも広いだけでなく適度にイベントやタスクが配置されていて飽きさせない仕組みなのもさすが。今作は地底や空中まで行動範囲が拡大しますが、別に行かなくてもクリアはできるのでゲーム初心者にも優しくてグッド。異常な作り込みと幅広い層をターゲットにする工夫であらゆる層を満足させる神ゲーです。
来世ではちゃんとします(原作)
今年読んだ漫画のなかでも上位に入る個人的ヒット作。20代の社会人の性にまつわる群像劇なのですが、かなり生々しい話をコミカルに描ける手腕がすごい。作者はTwitter漫画家出身なだけあって、童貞からヤリチンから風俗嬢から風俗狂いからメンヘラから犯罪者までタイムラインでよく目にするトピックに関わるキャラクターが多いですが、そんじょそこらのTwitter漫画家とはプロット作りの格が違います。各属性への理解度が高く誰かしらには感情移入できるキャラクター造詣になっているので性経験のないオタクにもオススメです。一応4コマ漫画という形式を取りますが、最初は点だったキャラクターたちが次第に線で繋がっていき、複雑な人間関係になって苦悶する様は普通にストーリー漫画としてもクオリティが高いです。